事実など欲していない 何を信じたいのかが大切
Eben Byers
冒頭の画像は、エベン・バイヤーズ氏の写真です。
彼は放射性元素ラジウムを含んだ水を1400回ほど服用した結果、癌を誘発。
歯と顎が抜け落ち、51歳で死去しています。
現代からすると、ラジウムを含んだ水を服用することなど考えられませんが、少なくとも1920年代後半の当時は、インチキ科学が多少ながら通用していた面がありました。
「ラジウムを少々ふくんだ水には、万能の効果がある。」なる宣伝文句の元、ヒット商品となっていたのです。
それを言いましたら、アンフェタミン(覚醒剤の一種)がアメリカの製薬会社より「ベンゼドリン」の商標で1930年代中頃より販売されて流行したこともあります。
決して、バイヤーズ氏だけが特殊とは言い難いと思います。
さて、バイヤーズ氏の健康被害について、1931年にはFTC(連邦取引委員会)が同氏に事の経緯の証言を依頼しています。
そして1932年に死去した際には、死因を放射性によるものと結論を出しています。
(注記:現代医学からすると、放射線の影響による癌、が正しいそう。)
そして、死去から33年経った1965年に遺体を掘り起こしたところ、高い放射性が検出されたそうです。
このように、放射線の危険性は容易に理解できるかと思うのですが、私は1985年に記録された動画を見て困惑しました。
In 1985, a Scientist ate radioactive uranium to prove it's "harmless" pic.twitter.com/d2PDVUmZNQ
— Historic Vids (@historyinmemes) April 5, 2024
放射性元素のウランを食べている科学者がいるのです。
安全だと、アピールするためなのですが...
短い動画からは、わからない部分が多いですが
「ラジウムではなく、ウランなら大丈夫だ。」とでも?
いやいや、そもそも放射性物質全般が危ないのですが。
過去に放射性元素による被害が発生していながら、このパフォーマンスには奇異な思いしかしません。
しかしながら、他方で認知科学を考えさせられる面もあります。
どうやら
「何が事実であるのかは影響せず、当人が何を信じたいのかが最もたる影響を握っている。」
と、結論付ける他に無い気がしてきます。
私の仮説は、おかしいですか?
ならば、あなたの周囲に
「ニコチン(煙草に含まれる有害物質)は良い」
「アルコールには良いことばかり」
と申している方はいませんか?
参考文献
Wikipedia エベン・バイヤーズ
Wikipedia Amphetamine