レビュー:ニーチェ『ツァラトゥストラはこう語った』


フリードリヒ・ニーチェ

筆者は、ニーチェの『ツァラトゥストラはこう語った』を、氷上英廣による日本語訳で読んでおり、このほど読了しました。


そもそも、ニーチェって?
あたりから解説していきます。

ニーチェはドイツ出身のコメディアンであり、代表著作である『ツァラトゥストラ』は、3匹の象がベルリンの街で大暴れをして、大勢の市民が逃げ惑うパニック系コメディーとなります。
象の名前はそれぞれ、ツァラ・トゥス・トラ、となります。

.....すみません、全て虚偽です。
まじめに話を進めます。

まず、ニーチェって誰?
生年は1844年、没年は1900年。ドイツ出身の哲学者です。
元は大学教授をしていました。

『ツァラトゥストラはこう語った』って?
ニーチェの代表著作です。哲学書で、キリスト教の聖書を攻撃しまくるために書かれた無神論の書物です。


以下、低能な筆者によるブック・レビューとなります。

読み進めて、早い段階で気がつくかと思いますが、文体が聖書っぽいのです。
聖書に対抗しているか、揶揄していることが容易に想像できます。

また、比喩や逸話が多いため、これは読むよりも読者が自らの頭で考えたり、解釈を反芻することを求められる書物となります。

なお、訳者によると「夏目漱石も読んだ」とのこと。
また、訳者は翻訳に5年の歳月をかけています。容易ならざる内容からすると、これだけの年月がかかったことには頷けます。

書籍の展開としては、まずは「神の死」が宣言されます。(ちなみに、死因は第4部書かれています。)
キリスト教の有神論時代の終わりが告げられます。

となると、これからの人生はどのように生きるのがよいのか?
もう、聖書を読んだり神父様(牧師様)に問い尋ねることもできません。

「超人」が説かれます。
猿のようなみっともない、人間を超克した姿として、超人になることを期待されます。

「力への意志」「永劫回帰(えいごうかいき。人間の生は、指輪のように円環して繰り返す。)」など、ニーチェ独特の概念が登場します。

また、ニーチェは国家に対しても疑問をていしています。

なお、ツァラトゥストラとは、この書籍に登場する主人公の名前です。
実在した古代ペルシャ人の名前を拝借しています。

それまでの有史上の文化的価値観を激しく揺さぶる内容であり、20世紀の思想を先取りした感があります。

読んだからと言って、即日的に役立つ実践的な書物ではありませんが、批判精神を持って、この批判の書を読むことは大いに意義があることでしょう。