スマホに砂時計を付けよ




インターネットにおいて、たいがいのことはタダで楽しめます。
動画、音楽、チャット、ゴシップ記事、更にはエロティックもタダです。

技術の進歩により、100年前の人間とは雲泥の差とも言えるメリットを享受しています。
これを言い換えると、あなたは曽祖父の若い頃とは別の惑星に暮らしているも同然の状態にあるのです。

しかし、これを「便利」や「発展」などと呼ぶのは早計であるかもしれません。

こうして技術が進歩しておきながら、人類が進歩しているとは思えないのです。


技術の発展はスマホを誕生させました。
お風呂にも、トイレにも、ベットにも、病院や役所の待合室にも持ち運んでいながら、人類は何を成し遂げたのでしょうか?

今までは語学学習のやり方がわからなかったり、ダイエットの継続方法が見つからなかったりしました。
これら「無知ゆえ」とか「神頼み」の言葉で済ませていた問題の数々に対して、情報という強力な  それも非常に強力な!  武器を得ることができているはずです。

しかし、100年前よりも、筋トレやダイエットに励む人は増えたのでしょうか?
語学学習に力を入れる人は増えたのでしょうか?
掃除をする人は増えたのでしょうか?
料理が上達した人は増えたのでしょうか?
書きかけの小説を完成させられる人が増えたのでしょうか?

実態は統計学に譲ることになりますが、個人的には大いに疑問を持っています。


むしろ、運動することを固く誓っておきながら、スマホをいじり、子猫が溝に落ちる動画などを見る事態になっているのが常ではないでしょうか。
数学の式の解説を探そうとしたはずが、新人俳優の経歴を探していないでしょうか。

そうして奪われた時間の分だけ、あなたは進むべき道の歩みを遅らされているのです。
これを「便利」や「発展」と呼べるのでしょうか?

そうでないならば、私はスマホに砂時計を付けることを提案したい。
あなたに成し遂げたいことがあるのならば...