日本エロエロばなし



むかーし、むかし。
さびれた村に、変 態衛門(へん たいえんもん)と言う、嫁のいない・ケチで・小心者で・清潔感の無い男がおった。

ある猛暑日のこと。
態衛門は
「今日のような暑い日には、川で美女が水浴びをしているに違いない。」
と考え、のぞき見をしに行くことにしました。

川に行ったものの、美女どころか、誰もおりません。
態衛門は
「しかたがない。博打でもやりに行くか。」
と思っていたころ...

大きなスイカが、どんぶらこ、どんぶらこ...
よりも、ドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!と、すさまじい勢いで流れて来ました。

「うわぁぁぁ!これはおそろしい!」
と、恐れおののき逃げ出しました。
がしかし、突如として「スタッフ」という、わけのわからないカタカナの名を名乗った数人から
「お願いだから、あのスイカを拾って。」
「そうしないと、話が進まないから。」
と説得されてました。

更には
「プロデューサーがさ。」
「ディテクターがさ。」
と、聞いたこともないかカタカナ用語を連発するので、態衛門は目を回しながらも
「ここはおとなしく、言うとおりにしておこう。」
と従うことにしました。

態衛門は渋々、川から大きなスイカを拾い上げると、乱暴にスイカを運びました。

すると、スイカの中から
「痛い!優しく運んでよ!」
と、若い女の声がしました。
「おおおぉぉぉっっっ!!!」
態衛門は興奮しました。
「わかった。わかった。優しく家まで運ぶよ。」

態衛門の、ろくに掃除のされていない汚い動物小屋のような家に着くと、スイカを切って割るべく、電気チェーンソーを取り出しました。
すると、スイカの中から女の声で
「えええっっっ!!!
まず、チェーンソーって時代が違うでしょう!
それに、そんな怖い物で切らないでよ!」
と言われてしまいました。

態衛門は
「女にそう言われてはしかたない。」
と、小さな包丁で丁寧に切ることにしました。

スイカを切ってみると、中からは18歳くらいの上品な和装の、とびきり美しくて、なおかつダイナマイトボディーの女が現れました。

「あぁ、あぁ。夢のようだ。」
態衛門は涙を流しながら、この美女にお触りをしようとしたのですが、美女からあしらわれてしまいました。
「まず、名前を付けてくれない?」
「えー?おいらが名づけるの?」
「そうそう。」
「そうしたら、絹のように美しいから、おきぬでどうかな?」
「あー、ダメダメ。スイカから生まれたのよ、あたし。」
「えー、だったら自分で自分に名付けてよ。」
「それをやったら、ダメなの。ディレクターがさ...」
「あー!また、わけのわからないカタカナ語が出てきた。なんなのさ?」
「とにかく、スイカにちなんだ名前にしてよ。」
「スイカ絹子でどうかしら?」
「うーん、いまいちだけれど、まぁいいや。」
こうして、スイカから生まれた美女はスイカ絹子と名付けられました。

次に、スイカ絹子は態衛門に
「きびだんごを作ってくれ。」
とリクエストしました。
「ええ!お菓子作りだなんて、おいらには無理だ。」
「そこを、何とかしてよ。」
「うーん、だったら、ウーバーイーツで...」
「待ってよ!また時代が違うんだけれど。」
「そんなこと言っても、ウーバーを使わないと、きびだんごを手配できないよ。」
「あー、最悪!わかった、時代考証を無視するけれど、そうしてよ。」
こうして、態衛門はウーバーイーツできびだんごを入手し、スイカ絹子に与えました。

「では、態衛門さん。」
「はいはい、ついにお触りを...」
「いや、きびだんごを求めたあたりで、この後の展開を予想できないかな?」
「えっ?竜宮城に行くことになるの?」
「アホか!」
「だったら、狸を泥船に乗せて。」
「それ、カチカチ山。鬼ヶ島に行くの!」

こして、スイカ絹子は鬼ヶ島を目指したのですが、邪魔が入りました。

野良犬がやって来て
「桃太郎さ...。あっ!女だ。あの、どちら様?」
「スイカ絹子よ。」
「えーと、きびだんごをお持ちですか?」
「うん。」
「えーと...」
セリフに困った野良犬は、こっそりメモ紙を見てこう言いました。
「きびだんごを1つ私にください。」

すると、スイカ絹子は
「ダメダメ!さっさと去りなさい!」
と、冷たく突き放しました。

その後にも、サル・キジ・うさぎ・ダチョウ・シマウマ・象・チーターなどなど、様々な動物がきびだんごをねだりにきましたが、やはり冷たく突き放しました。

港に着くと、スイカ絹子は船をチャーターすることにしました。
「船を出しておくれ。行先は鬼ヶ島だ。」
すると、屈強そうな船乗りは
「いやぁ、あんな島に行くだなんて。危険手当として小判を10枚は頂かないと。」
と、青ざめながら言いました。
「そんなに出せない。きびだんごの現物払いにしてくんろ。」
「そんなの安すぎますよ、お嬢さん。」
しかしながら、交渉術にたけたスイカ絹子は、見事に小判10枚の船賃を、きびだんごの現物払いに負けさせたのでありました。

島に着いたところ、早々に鬼に出会ったのですが、鬼はスイカ絹子に一目惚れしました。
「あの、お嬢さん、シャネルは好きですか?」
「好きよ。あんた、あっちこちからブランド品をかっぱらって来ているんだってね。噂本当だったようね。」
「では、シャネルをどうぞ。」
「ありがとう。もらっていいの?」
「どうぞ、どうぞ。」
以後、鬼は完全にスイカ絹子の言いなりになりました。

スイカ絹子が
「ねえ、鬼さん。プラダは無いの?」
と聞いたことろ
「お嬢さん、無いんですわ。」
と、鬼が申し訳なさそうに言うと
「あらぁ、だったら島から帰るわ。」
と、冷たい態度をとりました。
すると、鬼はパニック状態になり
「お嬢さん、待ってくだせえ。どうしたらいいだ?」
と泣きながら聞いたところ
「あら、村に行ってプラダをかっぱらって来ないの?」
と言われたものだから、すぐさま村々を襲ってプラダをかき集めたのでした。

「あらぁ、鬼さん。なかなかね。
ところでエルメスは?」
「はい、今から村を襲って参りやす!」

こうして、スイカ絹子は鬼ヶ島で贅沢三昧の人生を送りました。
なお、態衛門は鬼が村を襲う過程で死亡しましたとさ。

おしまい。