最凶のひきこもりモンスター被害体験記
ですが、最も伝えたいことは、これから言及するモンスターが、どこの誰なのかでありません。
「ひきこもりの中には、こういう悪質な人もいます。用心してください。」ということが伝えたいのです。
なお、プライバシーの観点から、複数の点で差し替え行っております。「あの人はテニスが好き」というのが事実であるのに対して「あの人は水泳が好き」といった具合に執筆しています。
時は、まだスマホの普及が始まったばかりの年代です。
スマホを持っている人は「あっ、スマホを持っているんだね!」と声を掛けられる時代でした。
その当時の私は、とある精神疾患者向けの支援センターに通っていました。
そこで、ズンさん(仮称)という、ひきこもりの人に出会ったのですが、私の人生観を変えたモンスターでした。
支援センターには他にも利用者さんがいました。
中でも一寸法師さん(仮称)と浦島太郎さん(仮称)が、明るくムードメーカーのようでした。
私は一寸法師さんや浦島太郎さんと接している中で、ズンさんとも交流するようになっていきました。
ある日のこと。一寸法師さんが
「パンさん、こんにちは!
親から車を使って良いと言われました。なので、ドライブに行きませんか?
他に、ズンさんと、浦島太郎さんがいます。」
と、私をドライブに誘ってくれました。
ドライブでは箱根に行きました。とても楽しかったです。
ただ、ガソリンスタンドで給油をして、一寸法師さんガソリン代の4000円を支払っているのを見て、疑問が出てきました。
「あのう、一寸法師さん?ガソリン代は大丈夫ですか?」
「えっと、親から車を借りる時に、ガソリン代は自腹であることが条件になっているんだ・・・。」
一寸法師さんは、それ以上は何も言いませんでした。
自分からドライブに誘った立場から、ガソリン代の負担を要求するのは、はばかったのでしょう。
それからしばらくして、次の休憩の時に、私は
「ガソリン代として、1000円を出します。」
と言いました。
同乗していた浦島太郎さんも
「そうですね。私も1000円出します。」
と言いました。
一寸法師さんは
「あ、すみません。助かります。」
と言って、受け取りました。
なお、この時に、ズンさんはお金を出しませんでした。
ひきこもりですから、経済状態が厳しかったのでしょうか?
問いただすのは悪いと考えて、私はズンさんには何も言いませんでした。
それからしばらくして、私は一寸法師さんにリクエストをしました。
「神奈川県の、どこどこにドライブに連れて行ってもらえませんか?
ネットで検索しましたら、ガソリン代はこれこれかかるそうです。ガソリン代を4等分で負担して行く予定です。
どうでしょうか?」
すると、一寸法師さんは快諾してくれました。他の同乗メンバーとして、浦島太郎さんを誘いました。
あとの一人を考えていたところ、浦島太郎さんから
「ズンさんが、ドライブに行きたがってます。」
と連絡がきたので、ドライブの趣旨の説明を経て、ズンさんが4人目のメンバーとなりました。
このドライブも、とても楽しかったです。
道中にて、私は一寸法師さんにガソリン代としてお金を渡しました。浦島太郎さんも渡しました。
ですが、ズンさんは一切のお金を渡しませんでした。
私は妙に思ったのですが、何も言いませんでした。また、一寸法師さんも、何か言える性格ではないので、ズンさんには何も言いませんでした。
さて、この頃になると、私はズンさんとメールをやりとりするようになっていました。
(当時はメッセージアプリなんぞは無名に等しい存在で、メールが主流でした。)
もっとも、ズンさんの方から一方的にメールが送られてくるのですが・・・。
ある日のこと。
私はズンさんから
「ついに、スマホを買いました!」
というメールをもらいました。
また
「映画を見に行って、限定品をもらいました!」
というメールももらいました。
ただ、これらはドライブに行った後にもらったメールです。
ズンさんには、ガソリン代を全く払えないほどお金に困っていたわけではなかったのです。
むしろ、スマホを買ったり、映画を見に行くためのお金があったのです。
私はズンさんに不信感を抱くようになりました。
それからほどなくして。
浦島太郎さんが、一寸法師さんにドライブのリクエストをしました。
そして、そのドライブに私も誘っていただき、そしてズンさんも誘われました。
ドライブの前提は、ガソリン代を等分で負担することです。
私は事前に、ズンさんに
「払える範囲でいいから、一寸法師さんにガソリン代を出すのがマナーですよ。」
とメールを送りました。
ズンさんからは
「うん」
と短い返事がきました。
そして、いざドライブに行きますと、私と浦島太郎さんはお金を出し、今回もズンさんはお金を全く出しませんでした。
そして、一寸法師さんは、性格からして相変わらず何も言いませんでした。
後で一寸法師さんに聞いてみたところ、こう言ってました。
「本音を言うと、ガソリン代を出してもうらうと助かります。」
それからしばらくした、ある日。
ズンさんから
「マクドナルドで食事会を計画して欲しい。」
というメールをもらいました。
よくよく問うてみると
- ここのところ、ズンさんは暇をしている。
- 何でもいいから、イベントが欲しい。正直、マクドナルドの食事会でも何でもいい。
- 浦島太郎さんに計画をお願いしたが、断られた。
という状態。
この当時の私は、時間や体力面で余力がありませんでした。
ですので
「幹事役をやるのは、乗り気ではありません。」
と返答しました。
すると、ズンさんは
「いや、気楽でいいからさ、やってくださーい。」
と返してきました。
私は、イラっとしました。
「あのう、私は幹事をやるつもりはないのですが。」
と返信。
ズンさんは
「頑張って!やればできるって!」
という、図々しい返信をしてきました。
私は携帯電話を置いて、ズンさんの言動を思い返すことにしました。
ズンさんは前にこんなことを言っていました。
「アニメが大好きで、同じアニメがファンという人と交際していたことがある。
すごく優しい人でね。だけれど、私が頼りにしすぎた結果、破局してしまったんだ。
あそこに連れて行って欲しい。これを食べに行きたい。
そんな風に自分ばかりリクエストをしていてたら、愛想をつかされてしまって・・・。
大きな失敗体験です。」
そう言えばズンさん、人を食い物にする傾向があるよな。
自分の力で何かやることを、猛烈に嫌がるよな。
それらをふまえて、私は
「そんなにイベントをしたいのなら、ズンさん自身でやるべきではないですか?」
と返信しました。
すると、ズンさんからは
「言われると思った。言われたくないことを言われた。涙の顔文字。」
と返ってきました。
その返信から30秒後。
追加でズンさんからメールが来ました。
「パンさんは卑怯だ。もし誰かがイベントを開催したら、参加するのでしょう?イベント好きの性格なのに!」
私はイライラしました。
ですが、ズンさんのあら探しも、一理ありました。
そこで、私はこう返信しました。
「それなら、二人で幹事をやるのはどうですか?」
すると、秒速でズンさんから返信がきました。
「すみません、体調が悪くなったのでメールできません。」
「なんですか、それは?
本当は、他人に幹事役等を100%引き受けさせて、自分では1%とて何もしない算段でいたのですね?
『二人で幹事をやろう。』と提案されて、言い逃れに困っているのでしょう?」
「違います!
体調が悪くて、メールできません。本当に返信してこないで!」
ズンさんは、このように返信してきます。
妙なのが、体調が悪いと主張しているのに
- 秒速で返信をしてきている。
- 誤字脱字が一切ない。
という、きちーんと返信をできている点です。
しばらくの押し問答の後、私は引くことにしました。
それから3日後。
ズンさんからメールがきました。
メールの内容を要約しますと
- 私は前々から体調が悪かった。
- イベントの企画を要請したのは、支援センターのみんなが仲良く交流できる場を作りたかったから。 →みんなが仲良く交流できれば、私は参加できなくても良かった。私って、無欲でしょう?ね?そうだろう?
- 私は明日にでも精神障碍者向けの作業所に通うことになっている。(※補足:作業所とは、本格的な就労の前に、軽作業をして社会復帰への訓練を行う場所です。)とてもではないけれど、幹事なんか引き受ける余力がない。
- 以上の全ては、とても信じられないだろうけれど事実なんです!!!
おかしなメールです。
前々から体調が悪いのでしたら
- そもそもメールとか送れない。
- 先のことや周囲のこと(みんなのこと)を考える余力なんてない。
- そんなに体調が悪いのなら、作業所に通える段階に無い。まずは休養が先。そんな判断を出す医者がいるとは思えない。
こちらもメンタルヘルスことは体験的に知っています。ズンさんの嘘なんて簡単に見抜けました。
そして、「みんなのため。」にとか言いながら、一寸法師さんのドライブにタダ乗りしているのは卑怯極まりないです。矛盾しています。
あと、「とても信じられないけれど。」と書いているあたりから、ズンさんは自分の嘘にやや自信が無い様子。コントに出てくる人物のようです。
ですが、私はここで、ズンさんを泳がせることにしました。
「そうでしたか。メールをありがとう。」
と返信してみたのです。
それから3日後。
ズンさんからメールが来ました。
「一寸法師さんに、ドライブに連れて行ってもらわない?」
どうやらズンさんは、あの嘘メールが通用したと思っているのです。
そして、相変わらず退屈をしており、何がしかのイベントを求めているのです。
私は
「ガソリン代はどうするのか考えている?」
と返信。
ズンさんは
「えっ!?それじゃは、ドライブは無しですか?」
「自分たちで行くドライブなのですから、自分たちで計画して、自分たちで決めることでしょう。」
こう私が返すと、ズンさんからは
「なるほど!」
と返ってきました。
読んでいて気持ち悪かったし、腹が立ちました。
ガソリン代は自分だけ出さない。幹事もやらない。意地汚い魂胆が見え見えです。
以後、ズンさんからメールが何通が来たのですが、無視していました。
「伊豆のどこどこは、自然が美しいんだって!」
「この先1カ月は、良い天気が続きそうなんだって。」
「支援センターに行ったら、久々に一寸法師さんに会いました!」
相変わらず、ズンさんは図々しいメールをしてきます。
私は
「ズンさんは無神経な人だな。どうにかしないと。」
と、自分の対処法の甘さを痛感しました。
「ズンさん、あなた嘘ついているでしょう。
体調が悪いとか、逃げるためのでっちあげでしょう。
作業所に行く予定も、全くないでしょう。」
「どうして信じてくれないの!
私の言っていることは事実です!」
「どこの作業所に行って、どういう作業をしているのですか?」
「私の言うことを信じてくれないなんて、パンさんはひどいですね!」
「質問に答えてください。どこの作業所に通っているのですか?」
「私の言うことを信じてくれないだなんて、とても悲しいです。」
ズンさんの性悪さ感じました。
ただ、このまま応戦のメールをしても、同じ展開が続くだろうと考えました。
そこで私は、カウンセラーさんからのアドバイスを書き溜めていたメモ帳を引っ張り出し、戦略変更のヒントを探しました。
そして、戦略を練って、ズンさんに返信したのは以下の内容です。
「ズンさん。あなたが体調が悪かったり、作業所に行くというのは事実に反していると思います。
ですが、みんなのためにイベントを開けたら良いと考えているのは事実です。
ですが、幹事を勤める事には大きな不安を感じていて、全面的に委託できる人を探していたのではないでしょうか。
幹事をやることに不安があるとは言うのを恥じて、体調のこと、作業所のことを、作り上げて理由にしたのではないですか?」
かなりのサービスをして文章を作りました。
正直、こんなサービスだらけの内容なんて書きたくありませんでした。
私がメール送ってみた後、ズンさんにしては珍しく秒速での返信が来ませんでした。
そして、24時間ほどしてから
「パンさんは何も悪くありません。
パンさんはさすがですね。物事を見抜く力すごいです。」
と返ってきました。
私の洞察力がすごいのではなく、ズンさんがバカすぎて嘘が幼稚なだけなのですが・・・。
それから1カ月。
私はズンさんからメールが一切来ない、安心な生活をしていました。
勿論、こちらからもメールしません。
心の中に5%くらい、どこかで面と向かってズンさんが正直に話をしてくれないだろうかと思っていました。
ですが、そんな考えは甘かったのです。
ついに、ズンさんからメールが来ました。
「今度、横浜で花火が打ちあがるんだって!」
私は絶句しました。また要求です。
当然ながらメールを無視しました。
すると2日後、ズンさんからまたメールが。
「この前のことを気にしているんですか?」
「私、ズンさんのことが嫌なんですけれど。」
正直に言ったところ、ズンさんから秒速で返信が来ました。
「そんなこと言われたくない!!!」
相変わらず都合のいいことを言ってきます。
私は、ズンさんとは絶縁することを決意し、ズンさんのメールアドレスをブロックすることにしました。
やれやれ、これで安心だ。
そう思っていたら、私の携帯電話が鳴りました。
ズンさんが、電話番号を使ってメッセージを送ってきたのです。
「まさかブロックされるとは思っていませんでしたけれど、パンさんが私のことをどう思っているのかよくわかりました。」
私は、慌ててズンさんの電話番号をブロックしました。
以来、ズンさんとは絶縁し、平安な日々を送っています。
こんなに悪質な人は、初めてでした。