最悪の救急救命士
私は「ひきもこり専用のクッション」を買いに、平日の昼間に、近所のホームセンターに出かけました。
売り場を探していると、女性の買物客が狼狽しながら、駆け足で店員に向かって行く姿が。
「あの、倒れている人がいるんですけれど・・・。」
店員はすぐに、女性の案内に伴われて現場へ。そして私も野次馬として現場へ。
すると、そこには倒れているおじいさんが。
頭を打っているらしく、頭部から血が少し流れている状態でした。
すると、ほどなくして他にも野次馬がやって来ました。
そして、野次馬の中から、一人の中高年の男性が店員に向かって
「おじいさんの姿勢を、こうさせろ。」
と指図を出し始めました。
それを聞いた店員は、怪訝な表情に。
私は、その中高年の男性が医療関係者なのだろうか?と疑問に思いました。
「あのぉ・・・、あなたは、お医者さんなのですか・・・?」
と勇気を出して聞いてみました。
すると、その男性は不機嫌な顔をして
「なんだ!?おまえこそ、医者なのか?」
と言い返してきました。
「いえ・・・。私は、ひきこもりです・・・。」
「ああ、そう。なら、邪魔だから去れ。」
と、立腹状態に。
私は気弱なので、ガクガク、ブルブル震え、おまけに失禁までする有り様でした。
そして、探していたクッションも買わず、脱兎のごとく店を去りました。
しかし、奇妙なのが、医者ではない人が指図をしている点です。
本当に医療関係者ならば、言い返したりせずに
「私は医者だ。/看護師だ。/救命士だ。」
と正面から言い切るものです。
それをしていない点で、あの中高年男性は非常に疑わしいです。
むしろ、正規のスキルも持っていないと予測するのが妥当ではないでしょうか。
さてはて、中高年男性の指図は的確だったのでしょうか。
いずれにせよ、これは何とも奇妙な話です。
他の分野においても、スキルを持って無くても高い興味関心があれば・・・
- 車の運転をしても良い。
- 建築の設計をして良い。
という式が成立するのでしょうか・・・?
それが真であるのならば、私は自動車整備士になろうかな。
ブレーキが効かない車が出てきても、勿論、私は責任を問われないはず!?
しかし、スキルとは、こんなに軽視されるものでしょうか?